日本刀を作る

日本刀は鉄からできています。
この硬い鉄から、「折れず、曲がらず、よく斬れる」日本刀をどのように作るのでしょうか。
一般には、硬くすると曲がりにくくなりますが、折れやすくなります。
逆に、柔らかくすると折れにくくなりますが、曲がりやすくなります。
また、柔らかいと切れ味が悪くなります。
このような難題がある中、どのようにして日本刀は作られたのでしょうか。
世界中でも類を見ない切れ味の日本刀の秘密を、作り方から見てみましょう。

 

玉鋼を作る

日本刀の原料として大事なのは、砂鉄と炭です。
そして、代表的な「たたら製鉄」という方法で、刀を作るための「玉鋼」を作っていきます。

・砂鉄
日本刀に使う鉄を作り出す原料としては、砂鉄を用います。
鉄鉱石よりも砂鉄の方が、低温で還元でき、不純物が少ない鋼材となります。
特に、島根県の奥出雲地方で取れる砂鉄は良質な鉄が作れますので、日本刀のほとんどは奥出雲地方の砂鉄から作られています。

・木炭
日本刀の原料となる玉鋼を作るのに最適な木炭は松から作られた木炭です。
松の木炭は火力が強くならず、比較的低温で燃え続けます。
そして、低温の炎が一酸化炭素による還元を生み出し、粘りのある鉄ができます。
これが、備長炭やコークスのような高温になる燃料では、鉄の結晶が劣化し、良質な鋼ができません。

・たたら製鉄
たたら製鉄とは、日本に古来から伝わる製鉄方法で、「たたら」と呼ばれたフイゴ(鞴)によって炉に空気を送り込み、砂鉄や鉄鉱石から純度の高い鉄を作り出す工法です。
このたたら製鉄で特に有名なのが、島根県の奥出雲地方です。
製鉄の原理としては、砂鉄や鉄鉱石に含まれる酸化鉄を低温で還元して、炭素と結合させて作ります。

・玉鋼を作る
まず、粘土で作った炉に種火を入れ、木炭と砂鉄を交互に入れ、三日三晩フイゴで空気を送り続けて燃やします。
このときの温度は高温ではなく、比較的低温で燃やし続けます。
その間、炉の内部の土と木炭が融合し、ケラと呼ばれる鋼の塊ができあがります。
このケラの中から成分により選別し、日本刀の重要な原料である玉鋼を取り出します。
玉鋼は、注出される鋼の中でも最上位の鋼で、たたら製鉄では原料の砂鉄の十分の一以下しか取れません。
そして、一振の刀を打つには10倍の重さの玉鋼が必要となります。
このように、日本刀を作るのために、原料作りにもかなりの手間をかけているのです。

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