武士の象徴としての日本刀

武士の道を書いた有名な本に「武士道は、刀をその力と勇気の表徴となした」という序文があるのをご存知でしょう。この本は、明治にアメリカに渡っていた日本人が書いたもので、世界各国で愛読され続けている本としても有名でしょう。近年では、この本は国家の請求により著されたものであるという指摘もされているようです。しかし「日本人」というものや、その文化の深層を探求するためには最適の資料であると言えるのではないでしょうか。改めて見ていきましょう。これには「日本刀の所有が、武士に自尊、責任の態度を賦与する。刀は伊達にささぬ。武士が腰に佩ぶるものは、心に佩ぶるもの。つまり忠義と名誉の象徴である。大刀小刀は、決して武士の身辺を離れず、家にありては書斎客間の最も目につく場所を飾り、夜は容易に手の届く所に置かれて枕頭を守る。刀は不断の伴侶として愛せられ、固有の呼び名をつけ、尊敬のあまりほとんど崇拝せられるに至る。刀に対する侮辱は持ち主に対するそれと同視せられた。」と記されている。また、「日本刀には更に芸術以上のものがあり、その氷の刀身は、抜けばたちまち大気中の水蒸気をその表面に集める。その曇りなき肌は青い光を放ち、その比類なき焼刃に歴史と未来とが懸かり、その反りは優れたる美と力とを融合する。」という文面から読み取れるように、武士道は、刀の正しい使い方を重要視し、その濫用を恥とし憎んでいたことがわかるでしょう。場を読まず、刀を振るう者は、卑怯とされ、恥とされていたようです。人として心得を持つものだけが、正しく刀を扱えるとされていたのではないでしょうか。逆もまた然り、でしょう。「刀は武士の魂」という由来が余すことなく論じられている本なのではないでしょうか。

 

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