専任媒介契約

今、不動産業界では、レインズというデータベースで情報共有されています。しかし、昔、不動産屋は一軒一軒がバラバラで仕事をしていました。ある人がマンションを売りたいと思い、Aという不動産屋に売却をお願いしました。するとAは依頼されたマンションの物件資料を作り、車で出かけます。行き先はお付き合いのある不動産屋です。手渡しで物件の情報を交換していたのです。技術的にそれしかできなかったともいえますが、当時はこのように非効率的な方法で物件情報を広げていました。このため、1軒の不動産屋だけに売却を依頼しても情報の広がりに限界があり、一般媒介契約のようにたくさんの不動産屋に重ねて売却の依頼をするしかなかったのです。また、そういった時代だったからこそ、情報を多く持っている大手の会社が強かったわけです。

その後、情報の伝達方法はFAXへと進化し、現在インターネットを介在したシステムになりました。クリックひとつでたくさんの不動産屋に情報を配信することができるレインズが、不動産業界の情報の中核となったのです。

今では街の1人でやっている不動産屋でも、ワンクリックでたくさんの不動産屋に情報を伝達できる時代です。これは、不動産業界の情報革命ともいえます。このため、「情報を広げるために一般媒介を利用する」という理論は現在通じません。では「情報の広がり」という理由だけで、私は専任媒介契約を勧めているのでしょうか。いいえ、それだけではありません。もうひとつの大切な理由があります。

それは「不動産屋の報酬形態」の問題です。不動産屋が売主さんから報酬である仲介手数料をもらうことについては、「原則としてすべての取引を完了した後に、依頼者から受領する」こととなっています。不動産屋の受け取る報酬は、売却を完了してはじめて受領できる成功報酬なのです。